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はじめに

この授業ではパーソナルコンピュータ(PC)の内部構造とコンピュータのソフトウェアがどのように動作するのかを実際に自分の手と目で確認することを目的にしている。

PCは一般的にインテルあるいはその互換CPUを搭載したコンピュータのことを指す。OSには一般的にマイクロソフト社のWindowsを搭載している。普通、Macintosh(Mac)はPCとは呼ばれない。

PCの歴史

PCの原形はIBMが1981年に発表したIBM PCである。16ビットCPU 8088(4.77MHz)、メモリ16Kバイト(最大64Kバイト)、5インチFDを搭載していた。ハードウェアは他のパーソナルコンピュータに比べ特筆できるもはなかった。IBMが自社開発したものではなく、既存の部品を組み合わせて作られたものだった。

1980年代初頭はさまざまなメーカーのパーソナルコンピュータが市場に出回っており、標準と呼べるものはなかった。ソフトウェアの互換性も低かった。現在のPCに比べ、その性能は決して高くはなく、ビジネスで使われることはほとんどなかった。

そんな中でコンピュータ業界の巨人IBMは製品を展開していなかった個人向け市場にIBM PCを投入した。OSにはマイクロソフト社から提供されたPC-DOSだった。PC-DOSはマイクロソフトが位置から開発したものではなく、他社から買い取ったものだった。当時のマイクロソフト社はパーソナルコンピュータ向けのプログラミング言語BASICを各社に提供し、その礎を築いている時期だった。

IBMはIBM PCのハードウェアの仕様を外部に公開し、互換機を他社が作れる状況を作ってシェアの拡大を狙っていた。この仕様の公開がIBM PC互換機を多数登場させ、世界的に広く普及することになる。皮肉なことに仕様を公開したことでIBM PCを含めた互換機が普及したのはよいがIBM自身のシェアは大きくならず、IBMの目論見ははずれることになる。IBMよりも機能の優れた互換機がDell、COMPAQ、GateWayなどがなどさまざまなメーカーから発売されることになる。

IBM PCが広く普及する要因の一つに表計算ソフトロータス123の販売があった。このソフトの登場により、PCがビジネス分野でも利用されるようになった。IBM PC互換機が日本以外の国々の事実上の標準となった。

この時期日本ではIBM PCがに普及することはなかった。日本では独自に発展したPCの文化があったからだ。当時はNECの8ビットCPUではPC-8001、PC-8801が、16ビットではPC-9801シリーズが大きなシェアを占めていた。海外のPCが日本で普及しなかったのは日本語の扱いができなかったのが大きな原因である。日本メーカーのPCはIBM PCとほぼ同じアーキテクチャを採用していたが日本語の表示をハードウェアで実現していた。現在のようにソフトウェアで日本語を扱うにはCPUの能力が低すぎ、ディスプレイの解像度は日本語表示に向くものではなかった。約10年ほど日本では独自に進化したPCの文化が続くことになる。

1980年代の終わりから32ビットCPUを搭載したPCが市場に投入され、状況が少しずつ変わり始める。CPUが32ビット化され、クロック周波数も高速になったことでソフトウェアによる日本語表示が可能になってきた。

そんな中日本IBMからIBM PC互換機にハードウェアに手を加えることなくソフトウェアのみでの日本語表示を可能にしたPC用のOS、通称DOS/Vが発表され海外のPCでも日本語が扱えるようになった。また、PC用のOSにはマイクロソフト社のMS-DOSが使われてきたが、徐々にWindowsへの移行が進んでいった。WindowsはIBM PC互換機を対象にしていたため、日本で独自に進化したPCで利用するには移植する必要があり、移植に伴う発売の時間差が生じていたり、移植されない機種も出てきた。

これらの要因が重なって日本でも徐々にIBM PC互換機が普及し始め、ついにNECが独自路線を撤廃したことで日本のPCも世界と同じ状況になった。

現在PC用のパーツのほとんどは東南アジアの国々で製造されているのが現状である。多くのパーツには製造された国名が印字されているはずである。

マイクロプロセッサの歴史

現在のコンピュータのCPUはマイクロプロセッサという一つの電子部品として実現されている。マイクロプロセッサ登場以前は複数の機器から構成されていた。

世界初のマイクロプロセッサは1971年、インテルによって開発された4004というものだった。このマイクロプロセッサの開発には日本人の技術者が関わっており、このプロセッサは日本のメーカーの計算機に利用された。

インテル社製プロセッサマイクロプロセッサの年表を示す。

西暦 プロセッサ名 トランジスタ数 備考
1971 4004 2,300 世界初のマイクロプロセッサ。4ビット。108kHz
1972 8008 3,500 4004の2倍の性能を持つ。8ビットCPU。200kHz
1974 8080 6,000 2MHz
1978 8086 29,000 16ビットCPU。5〜10MHz
1979 8088
1982 80286 134,000 6〜12.5MHz
1985 80386 275,000 32ビットCPU。16〜33MHz。
1989 80486 1,200,000 20〜50MHz
1993 Pentium スーパースケーラアーキテクチャを採用。60〜300MHz。
1995 Pentium Pro 150〜200MHz
1997 Pentium II MMXテクノロジーを統合。233〜450MHz
1998 Celeron
1998 Pentium II Xeon ワークステーション、サーバ用。400〜450MHz
1999 Pentium III 450〜1400MHz。
1999 Pentium III Xeon 500〜1000MHz
2000 Pentium 4 4,200万 1.4〜1.5GHz
2001 Xeon

インテル以外のマイクロプロセッサにはザイログ社のZ80(8080をベースにしている)、AMD、Cyrixのインテル社製プロセッサと互換性のある製品が利用された。

プロセッサの性能は基本的にプロセッサを駆動させる信号(クロック)の周波数大きく影響する。周波数が高いほどプロセッサの性能は高いことになる。

しかし、コンピュータシステム全体の性能はプロセッサ単体の性能だけで決まるものではない。

参考インテルミュージアム

OS

現在のPC用OSはWindowsが中心だが、それ以外に次のような選択肢がある。

  1. UNIX互換OS
    1. Solaris
    2. Linux
    3. FreeBSD
  2. FreeDOS
  3. BeOS